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【大家さんのための賃貸トラブル相談室】 隣室で起きた自殺の告知義務

Q&A

【大家さんからの御相談】

昨日、私が所有するアパートの302号室の入居者Aさんが自殺しているのが発見されました。302号室については新規入居者を募集する際に事故物件であることを告知する義務があるのは分かりますが、隣室の301号室や303号室、上下階の402号室や202号室についても入居者を募集する際にも自殺があったことを告知する義務はあるのでしょうか?

【弁護士からのアドバイス】

賃貸物件内で自殺があった場合、当該居室については事故物件である旨の告知義務がありますが、隣室や上下階の部屋については告知義務はありません。

このようなケースについて、東京地裁平成19年8月10日判決は、自殺があった部屋に居住することと、両隣の部屋や階下の部屋に 居住することとに間には、常識的に考えて、 感じる嫌悪感の程度にかなりの違いがある ことなどの理由から、賃貸人には、賃借人が本件203号 室で自殺した後に、本件建物の他の部屋を 新たに賃貸するに当たり、賃借希望者に対 して本件203号室で自殺があったことを告 知する義務はないと判示しています。

賃貸物件で自殺があった場合には、相続人や連帯保証人に対する損害賠償請求の問題や新規募集の際の告知義務等、慎重に検討すべき課題がたくさんあります。

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