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【大家さんのための賃貸トラブル相談室】 賃料の増額請求について

Q&A

【大家さんからの御相談】

実家の父親から相続した土地があり,Aさんにその土地を貸しているのですが,1年間の地代の額が固定資産税と大差ない状況になっています。

このような状況ですと,貸している意味がほとんどなく,管理する労力が無駄のように思います。底地だけでは誰も買ってくれません。借地人のAさんに地代を増額してほしいとお願いしましたが,一向に取り合ってくれません。土地は地方ではありますが,駅前の商店街の中にあり,それなりの評価が付く物件だと思います。また,隣の土地も借地ですが,地代は私の土地の約4倍と聞いています。Aさんの承諾がなくても地代を増額してもらうことは可能でしょうか?

【弁護士からのアドバイス】

借地借家法第11条は,「地代が,土地に対する租税その他の公課の増減により,土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により,又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。」と定め,一定の条件の下,借地契約の当事者双方に地代の増減額請求を認めています。

本件については,近隣相場に照らして地代が不相当に低額と評価される可能性が十分ありますので,地代の増額請求が認められる可能性が高いといえます。

具体的な手順としては,①地代の増額請求の通知を配達証明付の内容証明郵便で借地人に送付する,②増額交渉の開始,③協議が整わなければ,裁判所に対する調停申立ないし訴訟提起という流れになります。

裁判所の判決で地代の増額が認められれば,賃貸人は,上記①の時点,すなわち,最初に増額請求の意思表示が借地人に到達した日に遡って増額された地代と支払額との差額(不足額)及びこれに対する1割の利息を請求することが可能となります。

地代,賃料等が不相当に安く設定されているにもかかわらず,借地人,賃借人が増額請求時応じてくれずお悩みのオーナー様,大家さんは,八王子駅南口徒歩1分,不動産賃貸トラブルに強い中村法律事務所に,是非一度御相談下さい。