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【大家さんのための賃貸トラブル相談室】 中古の賃貸ビル購入時に家賃の滞納者がいる場合の対処法

Q&A

【大家さんからの御相談】

入居者がいる状態で中古の賃貸ビルを購入することを考えています。私がビルを買った時点で、家賃の滞納がある場合には、賃貸借契約を解除して建物の明渡を求めることはできますか?

【弁護士からのアドバイス】

賃貸物件を買い受けた場合、新所有者は旧所有者から賃貸人たる地位を承継しますが、旧所有者が有していた未払賃料債権や契約解除件までが当然に新所有者に承継されることにはなりません。

従って、旧所有者のもとで賃料の未払があったとしても、新所有者との関係では賃借人の賃料未払は生じていないことになりますので、契約の解除もできないというのが原則です。

このようなケースに関し、判例は、新所有者が旧所有者の下で発生した未払賃料債権を譲り受けた場合には、新所有者はその賃料未払を理由に賃貸借契約を解除することができると判断しています(東京高判昭和33年11月29日)。

中古の収益物件を譲り受ける際には、旧所有者の下で賃料等の未払があるかどうかをチェックするとともに、仮に、賃料等の未払がある場合には、未払賃料債権等の賃貸借契約上の一切の権利を譲渡すること、当該債権譲渡の対抗要件を具備させることといった点を十分吟味されるようにして頂きたいです。

中古ビル、中古アパート、中古の収益物件の購入を検討中の方、それらの媒介・仲介を業務とされている不動産業者様、中古の収益物件売買に関する法的問題をお抱えの場合には、八王子駅南口徒歩1分、不動産賃貸トラブルに強い中村法律事務所に是非一度御相談下さい。